「インナーマッスルが大事なのはわかるけど、実際の動きでどう活かせばいいの?」
そんな疑問に応えるのが、この第3章。
前回までは静的な体幹安定トレーニングを中心に解説しましたが、今回はさらに一歩進んで、“動きながら体幹を保つ”力を養っていきます。
スポーツはもちろん、日常生活でも役立つ“使えるインナーマッスル”を育てましょう。
第1章:動的体幹の考え方 ― 「安定と連動」の両立
静止したプランクだけでは、実際の動作でブレを防ぐことはできません。
歩く、走る、しゃがむ、物を持ち上げる――どんな動きにも「体幹の安定+四肢の協調」が必要です。
この2つをつなぐキーワードが、「動的体幹(ダイナミックコア)」。
腹横筋・多裂筋・骨盤底筋・横隔膜の連動を軸に、外側の筋肉がしなやかに動くよう整えます。
つまり、動的体幹とはこうです:
- ▶ 安定しながらも「固めすぎない」
- ▶ 動きに合わせて呼吸と連動する
- ▶ 軸がブレずに四肢が自由に動ける
この感覚を身につけることで、姿勢改善・運動効率・疲労回復すべてが加速します。
第2章:実践ドリルトレーニング(基礎+動作連動)
ここからは“実際に動きながらインナーマッスルを使う”ためのドリルを紹介します。
全て呼吸を止めずに、軸を意識して行うことがポイントです。
- ①ウォールスクワット・コアアクティベーション
壁に背中をつけてスクワット。
お腹を引き込みながら、太ももよりも“お腹の支え”で動く意識を持つ。 - ②スタンディング・ニーアップ・ドローイン
片脚を上げた状態で3秒キープ。
腹横筋で骨盤を支え、軸がぶれないように。 - ③スプリットスタンス・ローテーション
片脚を前に出して軽く膝を曲げ、上半身を左右にひねる。
足裏で床を押しながら、腹斜筋のコントロールを感じる。 - ④ランジ・ツイスト
ランジ姿勢で体をねじる。
骨盤を正面に保ち、ねじりは胸から。体幹がバランスを保つ。 - ⑤プランク・ショルダータップ
プランク姿勢で片手ずつ反対の肩をタップ。
お腹がねじれないようにキープする。
この5種を1サイクル(各30秒×2〜3セット)で行えば、全身の安定力が劇的に上がります。
第3章:応用トレーニング ― “動作の質”を変える5選
- ①バランスランジ+オーバーヘッドリーチ
ランジ姿勢で両手を頭上に伸ばす。
肩甲骨と骨盤をつなぐラインを意識し、呼吸を合わせる。 - ②プランクウォーク
肘付きプランクから手付きプランクへ、ゆっくりと腕を交互に動かす。
お腹が落ちないようにコントロール。 - ③リバーステーブルトップ
仰向けで膝を立て、手を後ろに。お尻を持ち上げて体を一直線に。
肩と骨盤の安定性を同時に鍛える。 - ④スタビリティジャンプ
軽くジャンプして着地の瞬間にピタッと静止。
インナーマッスルで衝撃を吸収する感覚を覚える。 - ⑤クロスランジ+ニードライブ
クロス気味に足を出してランジ→元の位置で膝を引き上げ。
動的安定力と骨盤制御を一気に高める。
応用トレは「動作の安定」を高めるためのステージ。
筋肉を“固める”ではなく、“しなやかに支える”意識を持とう。
第4章:呼吸とコアの“連動リズム”を掴む
動的トレーニングでは、呼吸=パフォーマンスです。
横隔膜の動きを止めてしまうと、インナーマッスルは働けません。
おすすめは「3拍呼吸リズム」:
- 吸う:3秒(お腹をふくらませる)
- 吐く:3秒(お腹を引き込む)
- キープ:3秒(腹圧維持)
このリズムで動作を繰り返すと、筋力+呼吸+安定が見事に融合します。
第5章:フォームを崩さない“軸意識”の作り方
インナーマッスルの連動を高めるには、意識の置き方も重要です。
- ・みぞおちから動く:腕や脚を先に動かすのではなく、体幹から。
- ・足裏で地面を押す:バランスをとる前に“押す感覚”を育てる。
- ・目線は遠く:首をすくめると腹圧が抜ける。遠くを見据えて軸を保つ。
- ・骨盤の中心を常に意識:動きの起点=骨盤。ここを失うと体幹は生きない。
動作の中でこの「軸意識」を保つことができれば、疲れない・崩れない・しなやかに動ける体が完成します。
第6章:まとめ|“動けるインナーマッスル”が人生を変える
静止して鍛えるだけの時代は終わりました。
これからは「動きながら軸を保てる体」が本当の強さです。
インナーマッスルを動きの中で使えるようになると、
- ✅ 姿勢が崩れにくい
- ✅ 疲労しにくい
- ✅ 運動パフォーマンスが上がる
- ✅ 呼吸が深くなり、メンタルも安定する
たった5分のドリルでも、続ければ確実に変化が現れます。
「安定した芯」と「自由に動ける体」は、あなたの人生を軽く、豊かにする。
今日も、姿勢からスイッチオン
